カフカ「変身」高橋義孝訳
奇々怪々。一体なんなんだこのストーリーは・・・。ラスト10ページ、風呂の中で一気に読み上げてしまった。
ある朝起きたら突然ムカデに変身していたグレゴール・ザムザ。その事実を冷静に受け止め、周囲の反応をごく淡々と客観視している。家族が突然にムカデになってしまったザムザ一家。しかし怖がりはするものの、どこか「どうしようもないもの」とあきらめてしまっている。そして物語の終焉の仕方・・・。
グレゴール・ザムザは何故、そして突然「変身」してしまったのか。多忙極まる仕事のせい?そして、これは誰の身にも降りかかることなのか?
また、ムカデ*1は一体何を暗示しているのか。隔離されて当然たる扱いを受けるようなもの。精神病などといった病気くらいしかイメージできなかったけれど。
この作品を熟語で表すとしたら「深淵」。ひんやりとした、光の届かない深み。
感想かっこつけて書いてみたけど疲れるな結構これ。
*1:本文中では「虫」と表記されているが、読んだ感じではムカデに近い