トーベ=ヤンソン「ムーミン谷の冬」

ムーミン谷の冬 (講談社文庫)
 内気なもの、自分勝手なもの、様々な生き物が織りなすムーミンの世界。てんでバラバラに、まとまってなんかいないようだが、うまく落ち着くべきところに落ち着いている。スナフキンが出てこないかわりに、トゥーティッキが彼のようなポジションにいる。
 トーベ=ヤンソンの視点の鋭さは素晴らしい。この本が1982年発行?

「ものごとってものは、みんな、とてもあいまいなのよ」

「この世界には、夏や秋や春にはくらす場所をもたないものが、いろいろといるのよ」

「うみが、ときどき水がへって、すこししずむのはとても良いことだわ」

「ものごとというものは、なんでも、楽しいほうに考えるのよ」