リチャード・ワイズマン「運のいい人、悪い人 運を鍛える四つの法則」

運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則
 マジシャンであり心理学者である著者が、「運のいい人」は何故「運がいい」のか?「運がいい」ことに何らかの原因があるのか?といったことを割と本気で考えるという本。結果、四つの法則が見出せたんだって。
 論理的にそれどうなのといった部分ももちろんありましたが、納得出来る部分も多々ありました。

 運を広げる四つの法則ということで、

  1. チャンスを最大限に広げる
  2. 直感を信じる
  3. 将来について前向きなイメージができている
  4. 不幸を幸運に変える

 という4点から構成されております。直感を信じるとか、なんだそりゃ。というあんまり科学していないような部分も大きいんですが。個人的に気になったのは「チャンスを最大限に広げる」というトピック。

 「一生を捧げたいと思える人に出会えた」「天職と思える仕事に就けた」等等、運という要素はある程度人為的というか人に依ってもたらされる部分が大きいものだと思うんですが、そういった人によってもたらされる恵み*1を最大限に引き出すための要素として更に3つの要素に細分化して分析しています。

 「自分は運が良い」「自分は運が悪い」と自身で感じている人たちを調査対象として、外向性、神経症的傾向、開放性の3観点からそれぞれ大きく差がついたとのこと。

 「自分は運が良い」と感じている人たちは総じて外向性および開放性*2の度合が高く、神経症的傾向の度合が低いというように著者は結論づけています。

 極端にざっくりいうと、「自分は運がいい」と感じている人は買い物でレジの列に並んでいる間に他の並んでいる人に話しかけちゃうし(外向性高)、決まった店に通いつめるわけではなく色んな店に買い物に行くし(開放性高)、新聞を一字一句丁寧に読んだりせずぱらぱらと目を通して新しい情報に気付いたりする(神経症的傾向低)っていうことです。

 仕事ができる先輩とか見てるとそれぞれ外向性がとても高く仕事をとってくる人や神経症的傾向が低く色んな事に気付いて動けるような人がいて、なんとなく運の良さじゃないけど「出来る」要素に絡んで来ているんじゃないかなと思いました。

 個人的に開放性は高いと思っているので後2点は強化したい能力です。

 他の三つの法則は当たり前というか精神論の部分がするので割愛。もともとこの調査は定性的なものだから、統計的に信頼出来るサンプル数を集められたのかがもともと疑問。難しいよね。

*1:人災の逆というか・・・人災の反対語は天災になっちゃうな。ボキャ貧ですみません

*2:ここでいう開放性とは、好奇心の強さや変化を求める傾向を指します