原田宗典「十九、二十」

十九、二十
もはや5年近く前から読んでいるのでルーツになってしまいそうな勢いの原田宗典*1。の、「十九、二十」。十九歳になったらそのうち読もうと勝手に思っていた作品。でも別に十四歳が読んでもなんら問題は無い気がしました。はい。
その情けないエッセイは抱腹絶倒必至だが、小説というジャンルになるとその特有の情けなさは「重み」に変わる。借金苦に悩まされた家庭が著者の実体験によってリアルに描かれている。ような気がしないでもない。無理矢理形容すると蒸し蒸しした熱帯夜にイライラしているような。名詞でいうと「寝汗」のような。結局何かが進展したのか、進展していないのかわからないあたりが「十九、二十」らしくて素敵っす。

*1:こんなしょーもないのルーツにするのはちょっとアレだけど