原田宗典「海の短編集」

 海の短篇集 (角川文庫)
 著者は青年時代に志賀直哉の短編から多大な影響を受けたということを聞いたことがあるが、この作品は単純にラジオ放送用の原稿を書き直したショート・ショートであるらしい。夏の夜、ゾクッっとしたいときにぴったりの一冊。全て海外の海にまつわる不思議な話で構成されている。その中でも特に「取り憑く島」は秀逸。これラジオで聞いたらゾクゾクするだろうなあ。