原田宗典「かんがえる人」

かんがえる人 (光文社文庫)
 あれやこれや色々とくだらないことについて言及されているエッセイ。しかしこんなくだらないことから案外物事の本質がわかったりするのかもしれんなあ。愛と時間と神についてはちょっと考えさせられたぞ。右脳編と左脳編に分けられているが、断然右脳のほうが面白い。グッジョブ。

それにしても惰眠というものはどうしてああ気持ちいいのだろう。
謎である。

当たり前のことだが、その元気のいい様子を眺めていると「生きてるなあ」という感想を抱く。

ぼくはただ単に絵を見るのが好きなだけであって、絵の善し悪しが分かるわけではない。分かるのはせいぜい小説家としてのぼく個人にとって、その絵が何らかの刺激を与えるか与えないか、という程度のことである。

そういうふうにして捉えると、愛や勇気、慈悲などの”あるのかないのかよく分からないイメージ”を持つものは、おしなべて神様に近いものであるように思えてくる。