Syrup16gの「Coup d'Eat」

coup d’Etat
高2の頃クラスの女の子で「シロップヤバいよ〜」とか言ってた子がいたので貸してくれ!と頼んだところ、「ほんとマジ頭おかしいよこいつら」と嬉しそうに渡してくれたのが「Coup d'Eat」。とりわけ好きってわけでもないけど、初めて聴いたシロップのアルバムがこれだったので*1。正直衝撃でした。ボーカルの五十嵐。ヤヴァイ。特に聴いててひっくり返ったのが④の「手首」と⑧の「ソドラシソ」。歌詞をちょっと引用してみる。

くだらないこと言ってないで はやく働けよ 無駄にいいもん ばかり 食わされて 腹出てるぜ  
新しいもんはもないさ 目に映るもんは 全てもうそこに ある 多分ある 見たことあるぜ                     「手首」

音はUKっぽいというか。メロはどちらかというと美しいです。湿り気と冷気を帯びたギターや、やはり湿ったドラム、何気にメロディアスなベース。鬱なイギリスの雰囲気(よくわからん)。「手首」はこのアルバムの中で結構好きなほう。サビがヤバイです。引用はしませんが。

行くとこなんて 別にねぇ 今更何も する気ねぇ 生きてるなんて 感じねぇぜ 知らねぇ
悲しくなんて 別にねぇ はなから何も する気ねぇ 愛してるなんて 言ってねぇぜ 知らねぇ
                        「ソドシラソ」

ほんとこのバンドよく存続してるよなぁ。解散の危機とかないんかな。微妙な部分を引用してしまったんでわかりにくいかもしれませんが、作詞の五十嵐は頭いいです、絶対。日本語に対する愛を感じます。いや、愛を込めてるのかどうかはわからないけど、日本語の選び方、メロディへの乗せ方が上手い。言葉遊びがうまい。別のアルバムでは「心が無いから試みない」といったフレーズがあってニクイ詩を書くなあとしみじみ思いました。詩と言うよりリリックといったほうがピッタリしてるかも。
シロップの名に反してsyrup16gは甘くないです。摂りすぎに十分注意しましょう(うまくまとめたつもり)。

*1:他のアルバムもおいおい書いていこうかな