大崎善生「アジアンタムブルー」

アジアンタムブルー (角川文庫)
アジアンタムのイメージがイマイチ掴めないまま読んでみました「アジアンタムブルー」。昼ドラも真っ青なドロドロ加減*1の前半から、恋人との死別の後半まで。なんか病気になったり恋人が死ぬのはこういう小説ではお約束なんだろうか。主人公と過去の自分が案外オーバーラップしてたり。藻岩山のふもと、とか。なついていた小鳥を踏み潰した、とか*2。そういう意味で共感できたかも。みんな辛いことあるけど騙し騙しやってんだよな。
上手い具合に前半と後半の表現が絡むし、結構センスありそうな著者。

「もし月が赤かったとしても、それに気づくな、と」

「(前略)そういうふうに自分本位に考えた方がいいということです」

*1:昼ドラ見たことないからなんとも言えないけれど

*2:コサックダンスの練習をしていたら踏んでしまった。嗚呼