穂村弘「もうおうちへかえりましょう」

もうおうちへかえりましょう
「世界音痴」に続く穂村弘のエッセイ第二弾。ここから「本当は違うんだ日記」に続くのかな?哀愁漂い脱力した不思議な語り口と、静かに過激なシュールさ満点の内容は変わらないが、後半で「言葉の戦後性」や短歌論などの少し真面目な話、はたまたマニアックな古本の話が盛り込まれている点が新しい。エッセイを読めば一目瞭然だが、常軌を逸している著者の視点から語られる真面目なテーマの話題はなかなか興味深い。ただ大島弓子とかよく知らないとちょっと・・・*1。やーにしてもこの人面白い。原田宗典のトホホ臭のする情けなさとはまた別の、何かを超越してしまったような異様な情けなさ。うん。

学生の頃、大量のCDをテープに採りながら夜を迎えると、その日が充実していたのか、それとも虚しかったのか、よく判らなくなった。

実際にまだやってきてもいない月曜日の影に怯えて「サザエさん」を楽しめないなんて、もったいないではないか。

ここにある心どおりに直接に文章書こう「死にたい」とかも    永井 祐

*1:と、はてなで調べてみたら「少女マンガ史上、最高の至高の存在であろう。」とある。へえ