今村仁司「マルクス入門」

マルクス入門 (ちくま新書)
かつて一世を風靡したソビエト連邦や国内での学生運動は、得てしてマルクスの影響が多大であるとは一般常識だが、
「そういやマルクスって何したの?」
という単純な疑問から読みはじめたのだけれど。難しい。これ入門じゃない絶対。時代とともに尾ひれがつき歪められていってしまったマルクスの思想の核心を突きたかったみたいだけれど、突いていない。一章ではマルクスの思想を3つの類型に分けているのだけれど、これが本来マルクスが意図した考え方なのか、時代に因って歪められてしまったけれど世間一般が考えているマルクスの考え方なのか、わからない。ていうか論理が二転三転した上にいきなり飛躍するのだから全く追えない。俺の読みが甘いだけなのか。入門だと思って油断するなかれ。予備知識ゼロの人にとってこれは応用だ。世界史受験者とかならわかるんかなあ。
2章の途中まで読み挫折。ときおりシェイクスピアの引用が載っており、乾いた文面に潤いが。論理と情緒のバランスって案外重要なのかも。