田山花袋「布団」

蒲団・一兵卒 (岩波文庫)
 ぐだぐだと眠たいことを言っている。作者の懺悔録として文壇に衝撃を与えたのかもしれんけど、そのシーンに居合わせなかった身としてはピンとこない。単に好きな女の子とうまくいかなくて布団で泣いただけの話。時代背景を知るぶんにはいいかも。旧式の女と新式の女っていうのがなんとなくロボット臭い。

子供のために生存している妻は生存の意味があろうが、妻を子に奪われ、子を妻に奪われた夫はどうして寂寞たらざるを得るか。