吹きつける風と 打ち寄せる波と

suzushige2006-09-07

 7時半。500円の朝ご飯を食べる。なんと圧力釜で炊いた玄米とか、朝7時に豆腐屋さんで買ってきた揚げたての厚揚げだとか、かなりの健康志向っぷりで驚いた。そういや家でも昔は玄米を食べていたなあ、と思いつつおかわりする。奥さんは昔、重い病気で色々あったのだが、食生活を正してここまで快復したそうだ。質素でもやっぱり正しい食事は体のためになるんだなあ。あ、質素だから、か。
 8時。相部屋の男の子と途中まで一緒に行ってバイバイする。結局お互い名前も知らないままバラバラやな。不思議な感じ。心配していた天気は、霧雨。良かった良かった。道の駅あつみで、山形特産だだ茶豆のアイスを食べる。ふむふむ。豆の食感が強くて、味は結構濃ゆいな。160円。給水機があったので、ペットボトルに水を補給して出発。日本海沿いをひたすら走る。雨は降ったりやんだり。
 途中、勝木あたりでタイヤの空気が抜けていることに気づき、自転車屋さんを探す。こんなところにチャリ屋があるのか?と心配したが、漁師のおっさんに聞くところによるとあるという。実際教えられた場所に行ってみると、なるほど確かに自転車はたくさんあるが、看板が出ていないし、誰一人いない。「すいませーん隣の自転車屋さんって今誰もいないんですか?」と聞いたら「どれどれ」とおじいさんが出てきた。お店の方でした。ちょっとあちこち見てもらった結果、前輪のブレーキのスプリングがバカになっていて、ブレーキをいったんかけるとかけっぱなしになっているという。油を注しておいたけれどまだ甘いので、前輪のブレーキ使ったら手動で直したほうがいいとのこと。なるほど道理で最近スピードが出せなくなっていたわけだ。その後、少し世間話をして出発。「青森から下ってきて、埼玉に帰る途中です」と言ったらなんか嬉しそうにしてたところを見ると、この人も昔はチャリダーだったのかもしれない。出すと言っているのに、料金はタダでいいという。その言葉に甘えて出発。有り難い。
 そして国道345号の笹川流れに突入。日本有数の景勝地で、日本海を見ながらひたすら走る。天気が良ければ良かったのだが、ここにきて生憎の雨が降り出した。しかも土砂降り。日本海×雨っていう組み合わせだけでかなりダークなのに、土砂降りとは。まあまだ日も高いし、いい経験になるんちゃうかと頭にタオルを巻いて走ってたら突然止む。ラッキー。風は追い風、しかも車は少ないときてる。快適にクリアして村上市に突入。
 セーブオンというコンビニを見つけ、なんや珍しいなあ〜と入ってみて驚いた。アイス1本39円!牛丼大盛り弁当380円!ジャスコの火曜市で「WOW!ガリガリ君が55円とは!すごっ!」と驚いていたのが馬鹿みたいだ。北海道にはセイコーマートという唯一神的コンビニが存在したが、北陸のメシア的コンビニはこのセーブオンなのかもしれない。
 などと馬鹿なことを考えて新潟市内まで走る。途中、国道7号のバイパスに乗り、追い風を背に受けて快適に走っていると「そこの自転車、止まりなさい」とパトカーから警告され、お巡りさんに捕まる。なんでもこのバイパスは自転車進入禁止とのこと。信号が無いのでスピードに乗れて快適ではあったが、インターチェンジで車が合流してくるのは確かにちょっとした恐怖だった。なんでも侵入している自転車は通報されるとのことで、謝ってバイパスを降りて下の道を走る。にしてもバイパス沿いの道って大体入り組んでるし、路面の規格悪いし、信号多いしで最悪なんだよなあ。
 と、ブツブツ言ってるといきなり土砂降り。しかも止む気配は一向に無い。新潟入ったら回転寿し食うべとか思っていたが、この非常事態ゆえにいくつかの回転寿し屋をスルー。北陸はネタが大きく新鮮だから穴だって聞いてたのになあ::。場所は市街地で時刻はもう夕暮れ、野宿ができるような状態ではないので、道なりにあったホテルに逃げ込み。ドーミーイン新潟というところに泊まったのだが、サービスがものすごく良くて驚いた。サービスの良さで感動することってあるんやな。一般的なホテルの値段であのサービスは素晴らしいと思う。
 ただ近くに回転寿し屋が無いのが残念。どうしても魚を食べたかったので、近くの定食屋で刺身定食を頼む。やっぱり北陸の魚は美味い。まずイカを食べればネタが新鮮かどうかが判断できる。東京のイカは固くてゴムのような歯ごたえだが、新鮮なイカは驚くほど柔らかくそして甘い。サーモンが神でした。御馳走様。