堀田貢得「実例・差別表現」

実例・差別表現―糾弾理由から後始末まで、情報発信者のためのケーススタディ
 部落差別、民族差別、障害者差別、性差別etc...世の中には相変わらずいろんな差別があるようで。差別用語の説明に加えて、過去の事例から問題・事件になったケースがまとめられています。

 小学生高学年くらいの頃に差別問題を教わって、その時は「そんなん実感ないし、オトナがなんかわけわからんこと言いよるなあ」くらいにしか思わなかったわけですが。やっぱり“直面しないことには実感しがたい”ということなんだろうなあ。

 ブログや動画投稿サイトの流行で、誰でも表現者として何かを発信できる時代になったからこそ、著者の言う“人権感覚”を養っておく必要があるのかもしれない。羊水発言で問題になった歌手がいたけど、あれも一種の差別的な発言が問題だったんだろう。高齢出産は何かと危険が伴うことが事実だとしても、「羊水が腐る」という表現は侮蔑的な意味合いが強い。

 なかには「これをタブーにするのは被害妄想じゃないか??」と思う用語も多くあったが、それだけ世の中には色んな人が色んなことに傷ついてるんだなあ、ということがほんのりわかった気がする。当たり前のことかもしれんけど。

 個人的に好きな歌手がアスペルガー症候群で、自閉症の一種というくらいの認識でしかなかったんだけど、厳密には結構異なることがわかって勉強になりました。