中島らも「世界で一番美しい病気」

世界で一番美しい病気 (ランティエ叢書)
過去のエッセイ等からたくさん選り抜かれて一冊の本になったかたち。そのためか、軽めの前半と重めの後半で全然トーンが違う。振り幅が大きい。
表現の仕方は違うけれど、なんとなくこの人のセンチメンタリズムはミネタカズノブ(銀杏boys)のそれに似てるなと思いました。なんとなく。
出来ることなら人と出会いたくないという考え方も個人的に新鮮。今後年をとるとそういう風に考えるようになるのかなあ。

「人と出会いますと、それだけ哀しみが増しますから・・・」

お通夜が悪口で盛り上がるような、そういうイヤなおっさんになりたいものである。

「無意味が必要なんだよ。意味は疲れる。」

そんな糞の役にも立たないセンチメンタリズムをかかえていて、どうやって生きていくつもりなのか

中学生なら話は別だが、恋愛を「したい」という人の頭はどうかしているんじゃないか、と僕は思っている。

恋におちることは、つまりいつかくる何年の何月かの何日に、自分が世界の半分を引きちぎられる苦痛にたたき込まれるという約束を与えられたことにほかならない。

もし誰も愛してないとしたら、結局僕は「いない」のだ。