畠中恵「しゃばけ」

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

 噂によると、面白くて売れているらしい。舞台は江戸、キーワードは妖怪、テーマは成長(?)。
 しかし・・・話の流れがそんなに面白いのかと問われれば「疑問」。小学生くらいの頃に読めば夢中になるかもしれない。個人的には終盤まで展開が冗長で、終盤で一気に加速・・・することもなく、終わってしまった感じ。
 ただ、憑喪(九十九)神の存在は、デジタルで「直すより買い替えたほうが早いし安い」という意識の高い現代社からしたらとても新鮮な発想だと思う。江戸時代に生きた人の心の柔らかさというか、アニミズム信仰の一端を感じることができた気がします。
 「おばけになるから、物は大事にしなきゃあかんよ」と子どもに諭す親になりたいものです。