沢木耕太郎「深夜特急4」

深夜特急4?シルクロード? (新潮文庫)

深夜特急4?シルクロード? (新潮文庫)

 インドからロンドンへのバスの旅も中盤。前半の香港〜インドでの長期滞在時と比べ主観的な記述が少なくなり、逆に移動をメインにした記録的な記述が多くなっていく。3巻を読んだ際に作者に対し「なんか偉そうだなあ」という印象を抱いたけれども、逆にそういったより主観的で人間的な記述の方が読む分には面白いかもしれない、という感想抱く。身勝手なもんだね。
 絶えず移動し続ける旅というのはある時期を過ぎると急速に熱が冷めていく*1ので、その時期に入ったのかもしれない。
 とりあえずここまで読んだのだから、あと2巻も読んでみたいと思います。

ヒッピーとは人から親切を貰って生きていく物乞いなのかもしれない。少なくとも、人の親切そのものが旅の全目的にまでなってしまう。

*1:自転車ながら北海道・東北沿岸を走破したときの感想。深夜特急と比べればささやかなものだけれども。